SERIES ─ 特集
名前が消え、また戻ってきた街。水と土と火をくぐり、投票で性格を決め、海を足して広がった街。 芦屋がいまのかたちになるまでを、第1話から第7話まで順に読む連載です。
「芦屋」という村の名前がいったん消え、五十一年かけて市の名前として戻ってくるまで。
昭和十三年、阪神大水害。山から落ちてきた土砂に、村が埋まった七月五日。
昭和二十年の空襲で、打出小槌町の家にあったゴッホの『ひまわり』が焼けた夜。
住宅都市であることを定めた法律を、市民が住民投票で通した昭和二十六年。
山を動かせない街が、海を埋め立てて面積を足した。昭和四十四年に始まる、芦屋浜の造成。
阪神・淡路大震災。市内の九割を超える世帯が、なんらかの被害を受けた一月十七日。
外壁の色も、看板の大きさも。九十年かけて四度決めてきた、芦屋の美しさの成り立ち。