芦屋の地図を開くと、東西に三本の線が平行に走っているのが見えます。北から順に阪急神戸線、JR神戸線、阪神本線。市の南北はわずか数キロしかないので、三本はかなり近い間隔で並んでいます。
そして芦屋は、北の六甲山地から南の大阪湾へ向かってずっと傾いています。つまりこの三本は、標高の順に並んでいることになります。阪急がいちばん山側、阪神がいちばん海側、JRがその中間です。
北から阪急、JR、阪神。
山から海への順に並んでいます。
駅は四つあります。阪急芦屋川駅、JR芦屋駅、阪神芦屋駅、そして阪神打出駅。三本の路線に四つの駅、というのが芦屋の骨格です。
面白いのは、この三本が別々の時代に、別々の会社によって引かれたことです。開業年を並べると、阪神が一九〇五年、JRが一九一三年、阪急が一九二〇年。十五年のあいだに三本が通りました。しかも海側から順に、山へ向かって増えていった。
芦屋という町ができていく順番が、そのまま線路の順番になっています。